2016.08.19

インド、間接税改正法案が成立 歴史的税制改革へ前進

 インドは、経済成長の足かせとなっている複雑な間接税の改革に向けて前進した。インド議会下院(ロック・サバー)は8月8日、制度改正に必要な憲法改正案を全会一致で可決した。8月3日の上院(ラージャ・サバー)可決に続くもので、これにより法案は国会で成立したことになる。今後、州議会の過半数の賛成が必要だが、これは単に形式的なもので問題なく実現すると思われる。

 

 改正が実現すればインド独立後、最も歴史的な税制改革になると言われている。現行の間接税制は税率を含め州ごとに異なっており、その複雑な制度が経済成長の阻害要因として指摘されてきた。これを「物品サービス税(GST=goods and services tax)」に統一することにより排除し、13億人市場の活性化につなげたい考えだ。

 

 GST導入をシン前政権が表明したのは、10年以上も前の2005年。その後、紆余曲折を経て昨年議会下院は一旦可決したが、当時与党が少数派だったため上院で可決できず、導入が遅れていた。今年6月になって上院の構成が大きく変わったことにより、ようやく成立にこぎつけた。

 

 インド政府は、GSTを2017年4月から実施すると発表している。憲法改正案の成立でGST制度導入への大きなハードルがクリアされたが、まだ課題は山積している。GST税率の決定権限は中央政府と州政府それぞれに与えられており、難しい調整が予想される。また、実施に当たって法令の作成に加え、税務当局はITのインフラやシステム(GSTネットワークなど)を構築する必要がある。

 

 インドで事業を展開する企業も周到な準備が必要だ。変更が広範囲に及び、特にサプライチェーン、価格設定、運転資本、ITシステム等は直接的、間接的な影響を受けることが予想される。特筆すべきは、インドのGSTは他国の制度と異なり、企業側に高いレベルのIT体制を要求し、この分野での準備も欠かせない。


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