2017.11.14

英国、EU離脱に関する関税白書を発表

 英国のメイ首相は10月9日、議会下院で欧州連合(EU)との離脱交渉の進捗状況を説明した。これを受けて、英国政府はEU離脱に関する通商白書及び関税白書を発表した。

 

 メイ首相が欧州委員会に対して離脱を正式に通知したのは、3月29日。それから離脱後の通商協定に向けて協議を重ねているが、交渉は難航している。9日の演説でもメイ首相は、「政府はあらゆる結果に備える責任がある」と述べ、英国がEUとの協定の合意なしに離脱する可能性があることに言及した。

 

 英国は、離脱通告の日から2年以内に脱退の条件を定めた協定を交渉しなければならず、締結できなければEU法は原則として適用されなくなる。したがって、英国は独自の新たな関税制度を確立することが求められる。これに向けた新関税法の原案は、今秋の終わりには議会に提出されることになる。

 

 仮に英国がEUと自由貿易協定(FTA)などの通商協定を結べなかった場合、英国・EU間で貿易を行う企業は大きな影響を受ける。

 

 英国政府は、離脱を決定した昨年6月の国民投票以降、すでに250以上の企業や港湾関係者などのヒアリングを進め、政策の策定や新たな関税手続きが企業に与える影響の把握に努めている。

 

 白書によると、政府は今後も関係者との対話を継続するとしており、メールでも意見を募集している(CustomsStakeholders@hmtreasury.gsi.gov.uk)。

 

 意見を聴取したい分野は、1. 関税体制が独立することによるオペレーション上の影響、2. 独立後も円滑な貿易取引を確保するための国境手続き、3. 貿易取引における企業の通関業者の利用状況や展望、4. 関税体制変更による企業コストへの影響、等を挙げている。

 

 英国政府は新関税法制定にあたり、企業を含む利害関係者の声を反映する姿勢を見せている。離脱交渉に不透明感が増すなか、英国のEU離脱によって影響を受ける企業は積極的に意見を表明し、同時に社内体制を強化することが求められる。


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