2018.01.16

米大統領、税制改革案に署名 トランプ減税実行へ

 トランプ米大統領は昨年12月22日、議会上下両院で可決されていた税制改革法案に署名した。これにより、トランプ氏の最大の公約である大型減税が実現することとなり、米国税制は30年ぶりに抜本改正される。

 

 「ここにあるすべてが、企業にとって、人々にとって、中間層にとって、労働者にとってすごいことになる」と署名後に語ったトランプ氏。「いろいろなことが米国で生じる。私たちは、米国企業を取り戻す。もうすでに戻りつつある」と自信を見せた。

 

 米国税制改革(Tax Cuts and Jobs Act)の法案は、12月20日に両院で可決されていたが、成立には大統領の署名が必要だった。当初、署名は年明けの1月初旬に行われると予想されていた。

 

 財政赤字増加の抑制目的で規定されている「2010年Pay-as-you-go」法(PAYGO)との関連で、12月中に税制改革法案が成立した場合、即刻、事務的経費の削減が求められるからだ。一方、1月明けの署名の場合、削減を2019年に先送りできるというメリットがあった。

 

 しかし、「クリスマスまでに署名する約束を守らないのか」といったマスコミの批判を受けて、トランプ氏は急きょ年内の署名を決めた。

 

法人税率は21%へ

 

 税制改正法案の成立により、米国の連邦法人税率は35%から21%に引き下げられる。先進国で最も高いとされる米国の法人税率が、フランスや日本を下回ることになり、税制上の競争環境は優位になる。

 

 また、米国へのマネーの還流を促し、投資を活発化させるため「テリトリアル課税制度」を導入する。この制度により、企業の海外子会社からの配当が非課税になる。

 

 個人所得税についても、2025年までの時限措置ではあるが、最高税率が引き下げられる。遺産税は存続することとなったが、非課税枠が増額されるため、実質的には減税となる。

 

 全体の減税規模は、10年間で1.5兆ドル(約170兆円)に上るとされるが、今後はいかに財源を確保するかが焦点になる。米国は、財政と貿易の「双子の赤字」を抱えており、今回の減税で財政赤字はさらに増える。

 

 議会内での攻防や紆余曲折を経て実現するトランプ税制改革。その中身は、当初の案からかなりの修正点があり、複雑になっている。企業は情報の収集を怠らず、今後のインパクトについても米国税制に精通する専門家のアドバイスを受けながらの対応が求められる。


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