2017.12.25

世界金融危機がもたらしたグローバル規模の変化とは?

 経済成長の再スタートを目指し、各国政府が導入した新たな税制と貿易政策。その結果はどうなっただろうか。

 

 10年前、世界は深刻な金融危機に突入し、米国住宅バブル崩壊によって始まった信用収縮が急速に世界中へと広がった。銀行から自動車メーカーに至るまで、世界的なビジネスは救済措置を必要とし、世界経済は不況に陥った。

 

 各国政府が行った緊縮財政措置と税制改革は、税制面を根本的に変え、大きな不確実性をもたらした。

 

  OECDによる 税源浸食と利益移転 に対抗するためのグローバルな取組みから、各国政府が間接税収入をより重視するようになったことで、税務部門の役割は後方支援機能から経営課題へと変貌した。

 

1. 課税の課題

 

 課税についてはバランスを取ることが困難で、政府は、経済成長を続ける一方で、公共サービスに資金を供給するために十分な税金を徴収する必要あった。過去10年間、多くの先進国では、税負担として知られるGDPに対する税収の割合が増加している。同時に多くの国で、税収の割合のより多くが間接税から生じており、企業は付加価値税 (VAT) 、そして関税・消費税への対応により時間を費やすよう求められた。 以下のチャートでは、日本における税収とGDPの割合は、2007年の28.5%から2017年の33%へと4.5%上昇した。

 



2. ビジネスへの刺激

 

 多くの政府は、経済の活性化を目指し、民間投資を促進する法人税の削減と、物品やサービスに対する増税という税制の二面戦略を展開している。より投資を誘引するためのインセンティブが提供され始めている。これらすべての変化をグローバルレベルで把握し、リスクを最小限に抑えて好機をつかむ対応が重要となる。下記チャートでは日本の結果は、法人税収が0.5%下がり、VAT/売上税収が1.9%上昇しており、2014年に実施された消費税率の引上げや法人実効税率の引下げなどが理由として考えられる。



3. 危険な状況

 

 国家、企業、家計などの世界的な財政赤字は、過去最高を記録している。金利の急激な上昇やグローバル規模の生産の停滞は、経済の安定にとって大きな脅威となり、再び政府税収への圧力が加わり、さらに多くの政策変更が余儀なくされる。今後は不確実性が「ニューノーマル(新常態)」となるため、企業は機敏な税務及び成長戦略の策定を行うことが重要である。



 これらのチャートは、世界金融危機によって生じた継続的な影響のいくつかを示しており、税務環境が根本的にどのように変化したかを明示している。この変化の激しい環境で成功を目指す企業には、急速な変化に対応し、成長を維持するためのグローバルな戦略が求められる。そのため、人材、プロセス、テクノロジー、リソースを適材適所に配置し、より高い税の透明性に対する要求に対応することが重要となる。また、税制政策の変化を積極的に監視し、変化する環境で効果的に機能するように運用モデルを適応させることも必要だ。

 

出典:EY、BBC 「タイムライン:景気後退への信用危機」2009年、ブリタニカ、世界銀行、IMF、Oxford Economics、Telegraph「170億ポンドに跳ね上がる世界の財政赤字」2017年、BBC「Rogoff:「世界経済を脅かす」金利の上昇」2017年


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