2018.12.10

Brexitについて知るべき3つの重要な日

 英国は残留すべきか、離脱すべきか? 2019年3月に最終局面に達するBrexit(英国のEU離脱)を、世界が注目している。

 

 2度目の国民投票や交渉延期がない限り、英国は2019年3月29日にEUを脱退し、移行期間に入る。これから合意すべき内容があまりにも多いため、企業はハードボーダー(厳格な国境)を伴う合意なき離脱に備え、準備することを推奨する。

 

  • 2019年1月21日: 英国議会に離脱協定案を提出し可決しなければならない最終日。この日までに合意がない場合、国会議員(MP)は次に行うべきことを決定する。可能性としては、2度目の国民投票や、移行期間を延長することが挙げられる。
  • 2019年3月29日午後11時: 2度目の国民投票や交渉延期がない場合は、この日より英国が正式にEUを離脱し、移行期間(英国は「実施期間」と呼んでいる)に入る。この間、英国はEU規則に従い、両当事者が将来の永続的な関係を固める作業をする。
  • 2020年12月31日: 移行期間の終了日。この後より、英国はEUから独立する。

 

Brexit行動計画

 

  • 不確定要素があまりにも多いため、企業は2019年3月29日午後11時からハードボーダーを伴う、合意なき離脱となることに対し準備する必要がある。 既にわかっていること、又は確実性の高いことに集中することが理にかなっている。たとえば、離脱合意ができるまでどういった関税が課税されるか分からないが、EU以外の国との輸出入の税関申告書がどのようなものであるかは既にわかっているのでこれに向けて準備する。
  • コスト管理よりも物品の移動の継続性維持に焦点を当てる。在庫を備蓄することができるか?サプライヤーは納品することができるか?保管する倉庫スペースはあるか?混乱する可能性が低い場所に通関港を変更する必要があるか?
  • サプライチェーンを端から端までマッピングする。ハードボーダーを伴う場合、サプライヤーはEUとの間で輸出入ができるような体制が整っているか?英国企業の中には、EUとの輸出入を支援するために、欧州にサプライチェーン企業を設立しているところもある。EYの英国・アイルランド・グローバルトレードリーダーのマーク・バンチ氏は、代替計画Bと代替計画Cは不可欠であると述べている。ドーバーを港として使用する場合は、問題が発生した場合に容易に他の港に切り替えることができるようにしておかなければならない。しかし、多くの企業が同様な計画Bを準備していて、効果が薄くなる可能性があることに注意する必要がある。
  • 人員配置を見直す。合意なき離脱によりユーロに対してポンドが下落する可能性がある。このため、ヨーロッパ人労働者の中には、ユーロの方がより多くの収入を得ることができるためヨーロッパに帰る人が増える可能性がある。バンチ氏は以下のように述べた。「あるクライアント企業は、EUから来ている従業員は4%のみとの結果を算出した。しかし、機能レベルでさらに分析してみると、トラック運転手のほとんど全員が東欧出身であることが判明した。多数のトラック運転手が離職したら問題が生じることは明らかである。先見的な策として、同社は倉庫で働くフォークリフト運転手に対し大型自動車免許を取得するよう支援している」
  • 3月29日以降に事態が悪化した場合に備え、計画を準備する。たとえば、製品を製造するのに十分な部品がない場合、工場閉鎖か、あるいは短期創業継続かを誰が決定するのか?
  • 3月29日以降、企業は都度合意された取引内容と時期に応じて貿易取引の準備を開始する必要がある。バンチ氏は、大半の企業が移行期間の終了まで、移転するかどうか、何を移転するかの決定を保留すると予想している。彼は以下のように述べている。「これは主にビジネス主導のプロセスだが、税金面を考慮する必要がある。企業は断片化した情報に基づいて迅速な意思決定を行う必要があり、ことが収まった時にすべてがどのようになっているかを見るのは興味深い」

 

サマリー

 

 これから合意すべきことがあまりに多いため、企業はハードボーダーを伴う、合意なき離脱に備え、準備すること推奨する。コスト管理よりも物品の移動の継続性維持に焦点を当てるべきである。在庫を備蓄は可能か?サプライヤーは納品することができるか?混乱が予想される場合は通関港を変更する必要があるか?これらはビジネス上の決定事項だが、税金面を考慮する必要がある。

 


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