2018.12.13

グローバル税務係争への準備はできていますか

 各国政府が世界中で納税者の情報の収集と共有を急速に進めている。各国が競争力の維持や税基盤の確保を模索する現在において、1つの国・地域における税制改正は、世界中に変化を及ぼす引き金になり得る。企業はグローバルな結びつきを強める税の問題に対処し、スタッフ、方針及びシステムが後れを取らないようにする必要がある。

 

 税務当局が国境を越えて協力するようになったことから、情報共有と相互接続の高まりは、一国の税務係争が世界中へ急速に広がり、激化することを意味している。それらの協力関係を、デジタル化や、大企業がすべての関係税務当局に提出しなければならない国別報告書、及びマスターファイルから得た膨大な情報が支えている。

 

 

 税務当局は高度なツールによって、企業の事業内容、従業員、売上、無形資産、税務処理に関するグローバルな全体像を一段と包括的な形で把握できるようになっている。また、かつて税務を構成していた年間サイクルを「緩やかな死」へと追いやっている。複数の国・地域では税務データの一般公開が検討されている。最終的には、現在のような年に1度の申告書の提出から、リアルタイムでの報告へと移行していく可能性もある。

 

 

 

 税務係争が、特定の国との間における二面的な係争から、多国間における多面的な力のぶつかり合いへと急速に変化しつつある現在の環境下において、企業に必要なのは、重要な諸問題や将来起こり得る対立への見通しを提供する、全体的かつエンドツーエンドの税務係争アプローチである。また、一貫性ある方針のグローバルな展開をはじめとする税務係争管理の一元的戦略も欠かせない。係争が起きた場合は、税務当局と企業の「架け橋」となるリソースを確保することが重要だ。

 

 企業がすぐに講じるべきリスク管理措置は、次のとおりである。

 

  • グローバルな税務係争の監視と早期発見を促進する方針や手順を盛り込んだ、トップダウンかつエンドツーエンドのグローバルな税務係争アプローチを採用する。
  • 税務係争問題の防止、管理、解決のために、適切な国・地域に適切なスキルを備えた適切な人材を確保しているか確認する。こうした人材は、1つの国・地域における問題対応が他の国・地域で係争の引き金となり得ることを認識しなければならない。
  • 既存のシステムが、事業を展開するすべての国・地域の税務係争の全体像を提供できるかどうか評価する。
  • 税務と事業計画を一元化し、企業税務の全体像を考慮した税務係争の予防的管理を促進する。
  • 世界の立法・規制・税務当局の変化に遅れずについていく。

 

 データを共有し、当局がリアルタイムで情報交換する接続された世界への移行が進む中で、税制、税務データ、税務係争管理に対する新たな考え方に素早く対応し、受け入れる企業が成功する。相互接続が高まる税務環境から抜け出せる企業は無い。今こそが行動を起こすタイミングといえる。

 

本記事の全文は以下のページよりご確認ください(英語のみ)
Tax controversy is a global issue – is your company ready?
https://www.ey.com/en_gl/trust/tax-controversy


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