2019.08.26

デジタル時代において税務はどのように変化しているか

 デジタル時代により、税務当局と納税者の関係が変化している。その影響と課題に対処するための方法を学ぶべきである。

 

 リソースが縮小している環境の中、より多くの歳入、より高い効率、改善されたコンプライアンスを目指し、税務当局はますますデジタル税務データの収集と分析への依存を強めている。納税者データのリアルタイムまたはほぼリアルタイムの収集と評価を容易にするため、デジタルプラットフォームを利用している。

 

 税務の「デジタル化」への動きは、税務当局がリアルタイムまたはほぼリアルタイムで税務データを収集することを可能にしている。そして、その情報を利用し、迅速かつより対象を絞った方法で、把握したコンプライアンスリスクに対応することができる。場合によっては、デジタル化は、政府や官庁間での納税者情報の相互参照と共有を可能にする。

 

 デジタル革命を先導している国もあれば、第二の波を形成している国もある。また、デジタル化の採用からは程遠い国もある。ブラジルなどの一部のラテンアメリカの国々はより進んでいる国に入るが、米国における取り組みはそこまで進んでいない。

 

 各国が税務行政のデジタル化に向けて動いているため、各国の取り組みは同様のパターンに従う場合が多い。もちろん、デジタル化への動きは必ずしも直線的なものではなく、高いレベルのデジタル化を納税者または税務当局の最終的な目標と見なすべきでもない。

 

企業への影響

 

 税務のデジタル化の下で企業が提出を求められているデータは、税務書類の域をはるかに超えており、会計および売上のデータが含まれることも多い。従来のシステムやプロセスでは、そうした提出や他の政府の要件をサポートできない可能性がある。

 

 考えられる課題としては以下が挙げられる。

 

  • 要求されるフォーマットで利用可能なデータの欠如
  • データ送信の難しさ
  • データを変換するための非効率的なプロセス
  • 新しいデータ要件に対するプロセスサポートの欠如
  • 時代遅れの税務運用モデル
  • 税務当局への提出に先立って、より包括的な分析がより頻繁に必要になること
  • 適時または効果的な方法で調査通知に対応できないこと
  • 税額査定について意見の不一致がある場合、迅速に対応できないこと

 

 データを記録し報告するために企業が使用するプロセスの詳細なレビューとリエンジニアリングが必要になることがある。こうした機能および関連する機能を外部委託する企業は、その第三者のソリューションが柔軟で頻繁に更新されることを確認する必要がある。

 

 税務行政がデジタル化されると、企業は財務上の影響も受けるようになる。より複雑なデータ要件、還付金の遅れ、新しいシステムの構築、プロセスの刷新、コンプライアンスに費やす時間の増加は、キャッシュフローに悪影響を及ぼす可能性がある。各政府がデータとBEPS報告書を共有するため、データセキュリティも大きな懸案事項となる。

 

 企業は国内外で機能するデジタルソリューションの導入が必要となる。

 

課題への対処

 

 税務当局が税務情報のデジタル化の推進に向けてさまざまな速度で動いているため、企業は自社の市場におけるデジタル税務要件の詳細な理解を深める必要がある。

 

 政府がデジタル機能を拡張しているため、動向を注視し、対話に参加することは、企業が課題により適切に対処する上で役立つ。

 

 企業はまた、自社の税務機能が事業を行う管轄地内のデジタルデータおよび提出の義務を満たすことができ、リアルタイムまたはほぼリアルタイムで調査に対応する準備ができているかどうかを判断する必要がある。

 

 企業は、国内外で機能し、進化するコンプライアンスや係争要件に対応できるデジタルソリューションの導入が必要となる。企業は、リスクを測定・軽減し、係争介入により適切に対処し、問題が起きたときにはその解決を図るため、税務プランニングとコンプライアンスを目的としたリアルタイムデータ分析の利用を検討する必要がある。

 

 また、デジタル税務情報に対する需要の高まりに対応するために必要な投資と、電子データの提出の増加に伴うリスクの管理方法を検討する必要がある。今、これらの問題を理解し、将来を見据えた解決策を模索するために時間を割くこと、そしてこれらの選択肢を政策立案者に伝えることは、将来もっと費用と時間がかかる救済手段を回避するのに役立つ可能性がある。

 


この記事をシェアする。

印刷
ページTOPへ