2016.04.11

用語解説:BEPS

 Base Erosion and Profit Shiftingの略で、「税源浸食と利益移転」を意味する。多国籍企業が各国税制の隙間を突いて、経済活動が行われている国とは異なる低税率国に利益を移す行為。実際の経済活動国で課税できない状況や、いずれの国からも課税されない状況(二重非課税)を生み出すことから、課税逃れとの批判がされている。

 

 各国で財政状況が厳しくなる中、このような動きに歯止めをかけるため、G20(主要20カ国・地域)とOECD(経済協力開発機構)が共同でBEPSプロジェクトを始動した。2015年10月、OECDは15項目の行動指針で構成されるBEPSの最終レポートを公表。法的拘束力はないものの、新たな国際租税ルールに従うよう、各国に条約や国内法の改正・見直しを勧告している。

 

 BEPSで示された行動指針は、大きく分けて3つの原則に分類される。(1)「一貫性」―国際税制を有害に、又は不適切に利用することにより、本来得られない税制上のメリットを享受させないため、企業税務に一貫性を求める。(2)「実質性」―利益が課税される場所と、利益発生に貢献した者の所在地とのミスマッチを防ぐため、租税の実質性を重視する。(3)「透明性」―税務当局による調査がより良く実施されるよう、また税金の公正な負担が判断されるように、企業の情報提供に透明性を求める。例えば、BEPSの行動8は知的財産など無形資産の移転価格の扱いを規定しているが、これは「実質性」に該当する。

 

 BEPSの導入により、グローバル企業は海外子会社等グループ全体の税務状況をこれまで以上に把握しなければならないが、対応が遅れている企業も少なくない。


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